肥満外来とは
自己診断をしてみる
今、肥満を考える
[肥満症(病気)と審美的肥満]
肥満症(病気)※1とは、肥満に起因して健康障害を合併するか、その合併が予測される場合で、医学的根拠(診断基準※2)に基づき減量を必要とする状態を示し、疾病単位(一つの病気)として扱うもの。
審美的肥満とは、時代の変化や個人の感性や価値感に基づく主観的肥満であり、医学的肥満(肥満症)とは異なり、健康障害もなく病気とは異なるもの。
[ヴィーナスをご覧になり、皆様はどのような印象を受けますか?]
[このヴィーナスは肥満ですか?]
ボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」はイタリアルネッサンスを代表する名画です。中世ヨーロッパ美術は、キリスト教の倫理観に束縛されていたため女性の裸体を賛美することがタブー視されていました。現代ではふくよかに感じられるこのヴィーナスが当時は「美」の象徴として描かれました。医学的にはBMI22程度であり、女性としての優しさ、やわらかさ、穏やかさ、生殖機能、ホルモンバランスなど最も医学的には均整のとれた体格と言えます。
[審美的肥満も精神的ストレスと感じたら治療可能です]
「ヴィーナスの誕生」の女性は肥満でしょうか。
医学的には理想の体型です。これが「太っている」と感じた方は、肥満症(病気)の判定基準※2ではなく、ご自身の「美」意識から審美的体型※3を求め、審美的肥満と戦っている方かもしれません。
時代により「美」意識までもが変遷します。現在ではスーパーモデルや女優に代表される非常にスリム(痩せた)体型を「美」とする女性の意識傾向が強いようです。
現代においては医学的に肥満症(病気)ではなくとも、各々個人が判断する「美」意識により審美的肥満を気にする方が多く存在しています。
[順秀会:肥満外来]
肥満症(病気)を解消して健やかに毎日を送りたい方だけで無く、美容的かつ審美的肥満を気にされる方に対しても、※1[肥満症(病気)について]
肥満症は生活習慣病(高血圧、脂質代謝異常、糖代謝異常)や動脈硬化を進行させ、脳梗塞や心筋梗塞の原因になります。生活習慣病を予防するため、平成20年から健康診断において「腹囲」を測定することを厚労省が義務づけました。この「メタボ健診」は、正しく肥満を肥満症(病気)として扱い、国をあげて肥満症対策を始めたことになります。
※2[肥満症の診断基準]
BMI(body mass index)が25以上の時、『肥満』とする。
BMIが25以上で、次の(A)または(B)のような状態であれば『肥満症』と診断する。
(A) 肥満による健康障害の例:糖尿病、耐糖能障害、高血圧、脂質異常症、高尿酸血症、痛風、冠動脈疾患(狭心症・心筋梗塞)、脳梗塞(一過性脳虚血発作を含む)、睡眠時無呼吸症候群、脂肪肝、月経異常、整形外科疾患(腰痛症・変形性関節症)
(B) ウエスト周囲径計測:男性85㎝以上 女性90㎝以上
※3[審美とは]
自然や美術などのもつ本当の美しさを個人が的確に見極めること。また、「美」の本質・現象を比較研究すること